今は搭載されているのが普通になりつつある「アイドリングストップ車」
アイドリングストップ車とはいったい何なのか、そして、アイドリングストップ車はお得なのか?
デメリットも含めて、分かりやすく解説します。

アイドリングストップ車とは?

アイドリングストップ車とは、「信号待ちなどで車を一時停止させた際に、エンジンを自動的にストップすることで、地球環境に配慮しながら燃費を向上させることができる車」のことです。
アイドリングストップ”レス”車は、その機能を取り除いたお車となります。
2023年4月11日にタント、タフト、ムーヴ キャンバスに、新グレードとしてアイドリングストップ”レス”車を新たに追加し、販売を開始いたしました。

アイドリングストップ”レス”車が販売された経緯

ダイハツがアイドリングストップ”レス”車を取り扱い始めた理由は、世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大等の複合的な要因に伴う部品供給不足により、納期の遅れが発生してしまったことから、一日でも早くお車をお届けできるように販売を開始しました。現在はある程度、通常モデルの納期遅れは改善されつつありますが、一時はアイドリングストップ”レス“車の方が3週間ほど早く生産される時期もありました。

自動車工場の半導体不足の画像

アイドリングストップ車のメリット

1.燃費が良い

アイドリングストップ車の一番のメリットは燃費が良くなることです。停車時の燃料消費がゼロになる為、ダイハツ車においてはWLTCモード燃費※が8~20%ほど改善されます。
例えば、タントスタムRSの場合、アイドリングストップ車のWLTC燃費は21.2km/L、アイドリングストップ”レス”車のWLTC燃費は18.7km/Lとなっており、アイドリングストップ車は約13%燃費が向上します。
レギュラーガソリンを170円/Lと仮定し、10,000km走行時のガソリン代を比較すると、アイドリングストップ車は80,189円、アイドリングストップ”レス”車は90,909円となり、10,720円ほどガソリン代が節約できる計算になります。10万kmを走行すればその差額は107,200円となり、走れば走るほど維持費がお得になっていきます。
停車の時間が短い場合や、停車の回数が少なかった場合などはアイドリングストップの恩恵が少なくなってしまいますが、ガソリン代が高騰してしまったときなどはアイドリングストップ車の良さが存分に発揮されます。

車種 タント タフト ムーヴ キャンバス
グレード
X・L
カスタムX
X ターボ・カスタムRS
ファンクロス
ファンクロスターボ
G・X
Gターボ・Xターボ
G・X
Gターボ
アイドリングストップ車の燃費 22.7(km/L) 21.9(km/L) 21.2(km/L) 21.9(km/L) 20.6(km/L) 21.4(km/L) 21.3(km/L) 22.9(km/L) 22.4(km/L)
アイドリングストップ"レス"車の燃費 20.1(km/L) 20.1(km/L) 18.7(km/L) 20.1(km/L) 18.7(km/L) 19.8(km/L) 18.7(km/L) 20.9(km/L) 18.7(km/L)
燃費向上率 13% 9% 13% 9% 11% 8% 14% 10% 20%
10,000km走行で節約出来る燃料代 9,687円 6,952円 10,720円 6,952円 8,385円 6,419円 11,097円 7,104円 15,016円

2.購入時の自動車税(環境性能割)と、重量税が減税される

アイドリングストップ車は税金面で優遇がされており、例えばタントカスタムRSの購入時諸費用を比較すると、アイドリングストップ車は自動車税(環境性能割)が非課税で0円、重量税が減税で3,700円となっており、アイドリングストップ”レス”車は、自動車税(環境性能割)が2%課税で30,000円、重量税が9,900円となっております。その差は、36,200円となります。
2024年1月には税制改正が行われる予定となっており、減税額が減少するためアイドリングストップ車の税金の合計は20,900円となり、差額は17,200円となる予定です。
しかし、アイドリングストップレス車はアイドリングストップ車に比べて車両本体価格が33,000円安く設定されているため、実質的な差額は現在が3,200円、税制改正後は-12,100円となるため、購入時の合計金額という点で見ると、アイドリングストップ車のメリットは現在もほぼ無く、税制改正後はデメリットとなってしまいます。

3.アイドリングストップで浮く燃料代

タント カスタムRSの場合、どれほどの燃料代がアイドリングストップで浮くかを簡単に計算してみました。
法改正前のアイドリングストップ車は、エコカー減税によってご購入時点で3,200円ほどお得になります。アイドリングストップ車は10,000kmあたり10,720円の燃料代が浮く事となり、走れば走るほどアイドリングストップレス車よりお得になります。
法改正後のアイドリングストップ車は、購入時点でアイドリングストップレス車と比べて12,100円お支払い額が多いですが、ある程度アイドリングストップを続けていく事によってお得になっていきます。
計算した結果、11,194kmほど走行すれば、アイドリングストップレス車との差はほぼ無くなり、以降は燃料代が徐々にお得になっていきます。

グラフ

アイドリングストップ車のデメリット

1.乗り心地に影響がある

アイドリングストップ車は、アイドリングストップ状態からエンジンを再始動する際に振動や騒音が発生し、人によっては気になる場合があります。しかし、逆に言えば、停車中はエンジンが完全に停止しているため、停車中の振動や騒音は発生しませんので、一長一短と言えます。 また、エンジンを再始動するのに少し時間がかかる為、ブレーキを離してすぐにアクセルを踏んでも加速し始めるまでに若干のタイムラグが生じます。初期の物よりも騒音、振動、タイムラグは減少しておりますが、少し違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれません。

2.冷房の効きに影響がある

アイドリングストップ中は、エアコン機能も停止してしまうため、送風こそされますが、停車時間が長いと徐々に車内の温度が維持できなくなってしまいます。そのため、特に夏場ではアイドリングストップをすることで不快に感じてしまう方がいらっしゃいます。

3.納期が遅くなる場合がある

先述の通り、アイドリングストップ車はアイドリングストップ”レス”車に比べて納期が遅くなる場合がございます。現在は解消されつつありますが、最大で3週間ほどの差があったこともあり、今後の情勢によっては同じような状況になる可能性はございます。

目的にあったクルマ選び

お車の乗り方などによって、それぞれの仕様がお得になったりならなかったりします。 それぞれ、こんな方におススメです。

アイドリングストップ車が
オススメな人
・走行距離が多い人
・市街地走行や、渋滞が多い地域に住んでいる人
・給油回数を減らしたい人
アイドリングストップ”レス”車が
オススメな人
・走行距離が少ない人
・納期を少しでも短縮したい人
・普段からアイドリングストップ機能をOFFにして乗っている人

適切なグレードをお選びいただく事で、よりお得なカーライフをお過ごしいただけます。
より詳細のお見積もりや、アイドリングストップ車のご試乗など、ダイハツ千葉の各店でご案内いたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

※燃料消費率は定められた試験条件での値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。WLTCモードは、市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モードです。市街地モードは、信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定し、郊外モードは、信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定、高速道路モードは、高速道路等での走行を想定しています。